Solana LST (Liquid Staking Token)「elSOL」ホワイトペーパー v3 を公開。効率的なネットワークのためステークを通信資源として再設計しインセンティブを更に強化

Solana LST (Liquid Staking Token)「elSOL」ホワイトペーパー v3 を公開。効率的なネットワークのためステークを通信資源として再設計しインセンティブを更に強化

2025.10.22
ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO は、Solana 向け Liquid Staking Token(LST)「elSOL」のホワイトペーパー v3 を公開しました。
elSOL は、Solana のステークを単なる報酬源ではなく、通信帯域(SWQoS)を制御する資源として再設計した LST です。今回の v3 では、SWQoS 帯域の活用、SSP(SOL Staking Power)マーケット構想、VLD トークンとの連携を体系化するとともに、効率的で分散的なネットワーク構築を目的に、インセンティブ設計を強化しました。

elSOL の設計と背景

Solana ネットワークでは、通信の優先度がステーク量に基づいて決定される SWQoS(Stake-weighted Quality of Service)が採用されています。
ステーク量が多いノードや RPC は高い通信優先度を得られますが、従来は個人や中小規模の開発者が自分のステークを通信経路に反映させる方法がなく、通信性能の改善に直接関与することは困難でした。
elSOL はこの課題を解決するために、ステークをネットワーク性能の一部として活用できる仕組みを導入し、より公平で効率的な通信環境を構築します。

elSOL の報酬構造

elSOL
  1. 手数料 0 によるステーク報酬の最大化
    すべての elSOL バリデータは運用手数料・コミッションを 0 に設定しています。これによりステーキング報酬が不必要に減額されることなく、Solana ネットワークが提供する報酬をそのまま受け取ることができます。
  2. ブロック報酬利益の 20% 還元による追加インセンティブ
    elSOL バリデータは、ブロック報酬利益の 20% を毎エポックごとに elSOL プールへ還元します。これは効率的なネットワーク利用を促す直接的なインセンティブであり、SWQoS マーケットを利用しない場合でも安定した収益を維持する仕組みです。
  3. SWQoS 帯域マーケット(SSP / VLD)による報酬獲得
    ステークに応じて得られる SSP は帯域としてマーケットに出品できます。購入が成立した場合は設定レートに応じて VLD が支払われ、販売が成立しなかった SSP についても共有 SWQoS エンドポイントの実利用量に基づいて VLD が分配されます。これにより、ネットワークに貢献するすべてのステーク提供者が公平に報酬を受け取ることができます。
この三つの報酬経路が組み合わさることで、elSOL は SWQoS マーケットの状態に左右されず、常に安定した高利回りを実現しています。

SWQoS マーケット・SSP・VLD の仕組み

elSOL のステークにより発行される SSP は、SWQoS 帯域を必要とする開発者や事業者に販売できます。帯域の取引には、Validators DAO が発行するトークン「VLD」が使用されます。
VLD は常に 1 USDC = 10 VLD(1 VLD = 0.1 USD)の価格でミントでき、この価格が市場の安定基準点として機能します。
市場価格が 0.1 USD より低い場合、ユーザーは市場で購入する方が安く、DAO でのミントは停止します。逆に市場価格が 0.1 USD を超えると、DAO でミントした方が安くなるため新規発行が行われ、供給が増えることで価格上昇が抑制されます。
この裁定関係により、VLD の価格は常に 0.1 USD 付近で自律的に安定し、急騰や急落を防ぎながらネットワークの成長に応じて発行量が調整されます。VLD は実際の帯域需要に応じてのみ発行され、過剰供給は行われません。最大供給量が設定されており、上限(10M VLD)を超えて発行されることはありません。
これにより、VLD は Solana ネットワーク上の帯域需要を正確に反映し、通信資源を最適な価格で循環させる経済基盤として機能します。

今後の展開

elSOL は 2026 年前期に SWQoS マーケットのベータ版を公開し、通信データに基づく帯域取引や報酬分配の挙動を検証します。2026 年後期にはパブリックリリースを予定しており、バリデータ、RPC 事業者、開発者、利用者が公平に参加できる市場環境を整備します。
elSOL と VLD は、Solana ネットワークの通信効率と経済的自律性を高め、ステークをネットワーク資源として循環させる新しいモデルを実現します。

elSOL、ERPC、Validators DAO が解決する課題

  • RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私たちは、オープンソース開発を支援する Solana NFT カードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速な Solana 環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。そこで独自のインフラ基盤を構築し、その成果を基盤として ERPC、SLV、elSOL を提供しています。
Solana の性能を引き出す高品質な通信基盤を誰でも利用できるようにすることで、開発体験とユーザー体験の両面でエコシステム全体を前進させていきます。
本記事は投資助言を目的としたものではありません。NFA / DYOR(Not Financial Advice / Do Your Own Research)を推奨します。