ERPC、Solana RPC HTTP/WebSocket エンドポイント全リージョンを大規模アップグレード。ネットワーク効率化と負荷対策によりパフォーマンスと安定性を向上
ERPC、Solana RPC HTTP/WebSocket エンドポイント全リージョンを大規模アップグレード。ネットワーク効率化と負荷対策によりパフォーマンスと安定性を向上

ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO が運営する ERPC は、Solana RPC の HTTP/WebSocket エンドポイントにおいて、Amsterdam、Frankfurt、London、New York、Chicago、Tokyo、Singapore の全リージョンで大規模なネットワークアップグレードを実施しました。
今回のアップグレードでは、ネットワーク効率化、防御ロジック強化、負荷対策、ノード増強、Solana ソフトウェアの更新を一体的に行い、高負荷時の安定性とレイテンシが大きく改善されています。
従来、過負荷時に稀に発生していた HTTP 500 エラーについても、今回の構成見直しにより大幅に減少し、開発者や dApp 利用者の皆様にとってより快適な環境となりました。
従来、過負荷時に稀に発生していた HTTP 500 エラーについても、今回の構成見直しにより大幅に減少し、開発者や dApp 利用者の皆様にとってより快適な環境となりました。
Solana のグローバル拡大と従来の RPC 配置の課題
Solana ETF 承認や新規 ETF の増加などを背景に、Solana エコシステムは世界的に注目が高まっています。
一方で、従来の RPC プロバイダーは、Frankfurt・Amsterdam・New York といった特定の中核リージョンにのみノードを配置する構成が一般的で、多くの地域では近接する高品質な RPC へアクセスしづらい状況がありました。
一方で、従来の RPC プロバイダーは、Frankfurt・Amsterdam・New York といった特定の中核リージョンにのみノードを配置する構成が一般的で、多くの地域では近接する高品質な RPC へアクセスしづらい状況がありました。
特にアジア地域では、遠距離リージョンへ接続せざるを得ないケースが多く、レイテンシが数百ミリ秒を超える例も存在していました。
高頻度取引用のアプリケーションやリアルタイム性が重要な dApp においては、この距離が大きなボトルネックとなっていました。
高頻度取引用のアプリケーションやリアルタイム性が重要な dApp においては、この距離が大きなボトルネックとなっていました。
開発者にとっても、近くに高性能な RPC が存在しない環境では、本番に近い条件での検証が難しく、開発効率が大きく損なわれる課題がありました。
ERPC では、こうした課題を解決し、世界中の開発者とユーザーが快適に Solana を利用できる環境を提供するため、広範なリージョン展開と継続的な技術改善を進めています。
ERPC の設計思想:グローバルに均一で高速な Solana RPC を提供
ERPC は、Solana RPC を世界のどこからでも高速かつ安定して利用できるよう、Amsterdam、Frankfurt、London、New York、Chicago、Tokyo、Singapore の 7 拠点に HTTP/WebSocket ノードを展開しています。
独自のグローバルプロキシにより、各ユーザーは最寄りのリージョンへ自動かつ適切にルーティングされ、通信距離による差を最小限に抑えた設計となっています。
今回のアップグレードは、この設計思想をさらに発展させ、HTTP/WebSocket レイヤー全体を均一に底上げする取り組みです。
今回のアップグレードは、この設計思想をさらに発展させ、HTTP/WebSocket レイヤー全体を均一に底上げする取り組みです。
ネットワーク効率化と防御ロジックの強化
今回のアップグレードでは、ネットワーク経路と防御レイヤーの両面で最適化を行いました。
- グローバルプロキシのルーティング精度向上による最短経路の安定化
- ping ベースの動的ルーティング改善
- 防御ロジック(nftables)のマッチ順序やルール構成の再設計
- 異常なトラフィックの早期遮断
- 正規トラフィックを優先的に通過させるネットワーク構成の整理
これらにより、攻撃耐性を高めつつ、通常トラフィックの処理におけるオーバーヘッドを抑えた構成が実現されています。
負荷対策とノード増強:500 エラーの大幅な削減
トラフィックが急増する時間帯において、過去には HTTP 500 エラーが稀に発生するケースがありました。
今回のアップグレードでは、以下の改善によりこの状況が大きく改善されています。
今回のアップグレードでは、以下の改善によりこの状況が大きく改善されています。
- 地域ごとの負荷状況に応じたノード増強
- 負荷分散ロジックの見直し
- バックエンドのキュー管理・タイムアウト設定の調整
- 高負荷時のホットスポット化を抑える経路制御
これらの結果、過負荷時の詰まりが大きく減少し、HTTP 500 エラーの発生頻度も大幅に改善しました。
リクエストが安定して 200 系で返りやすくなったことで、アプリケーション設計上の懸念が軽減されています。
リクエストが安定して 200 系で返りやすくなったことで、アプリケーション設計上の懸念が軽減されています。
各リージョンの改善ポイント
Tokyo リージョン
今回のアップグレードの中でも最も改善が大きく、アジア地域からのアクセスにおいて実効レイテンシと安定性が大幅に向上しています。
高頻度トレードボットやリアルタイム性の高い dApp 開発において、これまで十分な環境が得にくかったアジア圏での利用体験が大きく改善されています。
高頻度トレードボットやリアルタイム性の高い dApp 開発において、これまで十分な環境が得にくかったアジア圏での利用体験が大きく改善されています。
Europe(Amsterdam / Frankfurt / London)
欧州各リージョンは従来も安定していましたが、負荷の高い時間帯における揺らぎが減少し、より一貫したレスポンスが得られるようになりました。
North America(New York / Chicago)
北米のトラフィック特性に合わせて負荷分散とノード構成を見直し、ピーク帯の安定性が向上しています。
Singapore
21 日の大型アップデートに続き、HTTP/WebSocket のネットワーク効率化・防御ロジック強化の恩恵を受け、全体的な安定性が改善しています。
SWQoS エンドポイントの位置付けとネットワーク経路改善
SWQoS(Stake-Weighted Quality of Service)は、Solana のネットワーク内部でトランザクション送信時の帯域をステーク量に応じて優先的に確保する仕組みです。ステークを持つバリデータやステーク付き接続が、混雑時でもリーダーにトランザクションを届けやすくする役割を持ちます。
今回のアップグレードでは、HTTP/WebSocket RPC のネットワーク改善とあわせて、SWQoS エンドポイントが利用するネットワーク経路についても最適化を行いました。
ERPC 全体のネットワーク効率化や防御ロジック強化の恩恵を受けることで、SWQoS 経由の送信も以前より安定して動作する構成になっています。
ERPC 全体のネットワーク効率化や防御ロジック強化の恩恵を受けることで、SWQoS 経由の送信も以前より安定して動作する構成になっています。
現在は Frankfurt に設置されており、同リージョンがリーダーを担当する時間帯で特に効果を発揮します。
全ノードを Solana 最新バージョンへアップグレード
HTTP/WebSocket を提供する全ての RPC ノードを Solana の最新ソフトウェアバージョンへ更新し、プロトコルレベルでの最適化やログ取得の安定化が反映されています。
これにより、出口側のネットワーク改善と合わせて、全リージョンで応答性と安定性の向上が確認されています。
これにより、出口側のネットワーク改善と合わせて、全リージョンで応答性と安定性の向上が確認されています。
開発者の課題解決:近接する高品質 RPC の重要性
遠距離リージョンへ接続せざるを得ない環境では、本番に近い条件での検証が難しく、開発段階では見えにくい問題が本番運用で顕在化するケースも多くありました。
今回のアップグレードにより、開発者は最寄りリージョンの HTTP/WebSocket RPC を利用できるようになり、開発から本番運用まで一貫した性能を得やすい環境となっています。
今回のアップグレードにより、開発者は最寄りリージョンの HTTP/WebSocket RPC を利用できるようになり、開発から本番運用まで一貫した性能を得やすい環境となっています。
特にアジア地域の開発者にとって、東京やシンガポールの改善は開発体験を大きく向上させるものです。
dApp 利用者にとってのメリット
ユーザーが dApp を利用する際の操作感は、近くの RPC の品質に大きく影響されます。
今回のアップグレードにより、世界各地の利用者が近接した高品質なエンドポイントへアクセスしやすくなり、スワップ、ミント、ゲーム操作などの体感速度が改善されています。
今回のアップグレードにより、世界各地の利用者が近接した高品質なエンドポイントへアクセスしやすくなり、スワップ、ミント、ゲーム操作などの体感速度が改善されています。
負荷が高い時間帯においてもエラーが減少し、ユーザー体験全体が安定しています。
ERPC、SLV、Validators DAO が解決する課題
- RPC 環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
- 多くのインフラプロバイダーに見られる性能制限やオーバーコミット
- ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
- 小規模プロジェクトほど高品質インフラを確保しづらい状況
私たちは Solana NFT カードゲーム Epics DAO の開発過程で、高性能な RPC 環境が手に入りにくい課題に直面し、独自のプラットフォームとノウハウを構築してきました。
この知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
この知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
金融用途などミッションクリティカルな領域では遅延やエラーが直接 UX に影響します。
今後も Solana ネットワークの構造変化や需要に応じて最適な構成を整備し、開発者と利用者双方の体験向上に貢献してまいります。
今後も Solana ネットワークの構造変化や需要に応じて最適な構成を整備し、開発者と利用者双方の体験向上に貢献してまいります。
- ERPC公式サイト: https://erpc.global/ja
- SLV公式サイト: https://slv.dev/ja
- elSOL公式サイト: https://elsol.app/ja
- Epics DAO公式サイト: https://epics.dev/ja
- Validators DAO 公式Discord: https://discord.gg/C7ZQSrCkYR

